「ただそこにいる」だけで、あなたはメッセージを発している。

小学校での授業以外にも、企業様から委託を受けてセミナーや研修を行うことがあります。

前職時代から社内外向けのセミナー・研修の機会が多く、
おかげさまで独立後にも外部主催のセミナーのお仕事をいただいたり、
大手企業から研修のオファーをいただいたり、講師としての仕事は多いほうです。

 

そういったセミナーや研修の後につき物なのが、「アンケート」です。

・出席者にとっては非常に面倒な消化時間。
・主催者にとっては個人情報をゲットするほぼ唯一の方法。
・講師にとってはフィードバックの機会。

 

僕は「講師」の立場で振舞うことが多いので、アンケートの意義で言えば、上記の3つ目の「フィードバック」が該当するわけですが、
実は最近、こういった「アンケート」の結果はあまりあてにしていません。

理由はいくつかありますが、3つに絞ってみましょう。

 

理由1:「感想」と「理解度」は全く別物だから

「わかりやすかった」という感想と、その人が本当に理解を増したかどうか、というのはあまり関係がありません。
その感想をもって「理解させた!」と考えてしまうと、成長の方向を誤ってしまいます。

いっぽう、「わかりにくかった」という感想もありえますが、
基本、この手の人は講師に誤り、ミス、改善点を指摘してマウンティングをしたいだけなので、
耳を傾ける価値はありません。

理由2:アンケートを書いているとき、参加者の多くは「本気」ではないから

アンケートを書いている時間、ほとんどの人は「疲れて」います。
そして、「早く帰りたい」と思っています。

そうでなくても、
参加者からしたら自分はセミナーというサービスを「受ける側」であって、
丁寧にフィードバックをする義務などないわけです。

だからほとんどの人は
「わかりやすかった」「とてもわかりやすかった」のどちらかに印をつけて、
改善点などを書かずに帰ります。

もちろん、「一人もいないか」と言われたら、
100人来るセミナーのうちの1~2人はそういう人もいるのですが、
だからと言ってそのフィードバックを参考にするかというと、そうでもないです。
「素人のフィードバックを参考にするようなら、その講師はプロとしてどうなの?」
・・・むしろそう思いますけど、どうでしょう。

もちろん、プロも自己研鑽を怠ってはいけないわけですから、フィードバックがほしければ、
見る目の確かな人をご招待しておいて、後で個別に聞いたほうが良いと思います。

理由3:アンケートを見なくても参加者の反応はセミナー中にじっくり見ているから

ここまでは、どこか講師業向けの心得っぽくなっていましたが、
実は本当に書きたいのはこの理由についてです。

タイトルに書いたとおり、聞き手は実に多くのサインを私たちに送っています。

説明が良く分からないときの「ぽかん」とした顔
資料に違和感を感じたときの「んっ?」の顔
長丁場のセミナーでの少し疲れたときに出る仕草
スクリーンが良く見えないときに首を伸ばす仕草
寒いとき、暑いときの仕草

こういったサインを受け取って、話す内容や話し方や時間配分をこまめに変える、
ということを自分のセミナーでは実践しています。

だから、今日のセミナーのできばえは、
リアルタイムに聞き手から受け取っている。

実はこれは、日ごろのコミュニケーションでも応用がきく話です。

コーチングやカウンセリングのうまい人や、腕利きの占い師などは、
相手の反応を見ながらたくみに話す内容や話し方を切り替えています。

逆に、
・つまらない・・・
・帰りたい・・・
・話し長い・・・
・今のギャグ、さむい・・・

あなたが仮に「言うまい」と思っているようなメッセージも、
気づかぬうちに発信しているかもしれない、ということですね。

「今の話し相手のリアクションは、どういうサインなのだろう?」
と、一度意識してみると沢山の気づきがあると思います。