クラウドファンディングの「それから」 その1

前回記事で、こんなことを書きました。

スタートはすでにゴールであり、ゴールはまだスタートでしかない。

どういう意味かは想像つく方も多いと思います。

  • クラウドファンディングのページが公開された時点で、実は十中八九成否は決まっています。事前の準備が万端でなければほとんどの場合ファンディングは目標額に届かないものです。
  • 逆に、プロジェクト全体をとってみれば、ファンディング成功は(制作やイベントなどの)プロジェクトのゴーサインが出た状態にすぎないわけで、そこからしっかりと支援者へのリターンができないようでは「債務不履行」、悪質な場合は「詐欺」になってしまいます。

 

…実際問題、私もいくつかのプロジェクトに支援をしてみて、「リターン発送が遅れます」という連絡をもらう経験を1度ならずしています。

もちろん、どんなプロジェクトも遅延の可能性はありますし、制作過程で妥協したくない場面も出てきます。すべての遅延を「悪」というつもりはありません(何よりこの記事を書いている時点で、私にだって遅延の可能性はゼロではありません)。

しかし、中には「そんなに時間がかかるものではないだろうに・・・」「どうせ着手が遅かったんだろうな・・・」と思わざるを得ない遅延があることも事実です。

すなわち、クラウドファンディングを始める段階で、私たちは以下の3つを意識しなければいけません。

  • スケジュールを遵守しようという意識をまずしっかり持つこと。
  • スケジュールの遅延に備えて、事前に手を打っておくこと。
  • スケジュールの遅延が明らかになった時点で、速やかに事後の手を打つこと。

 

というわけで、これはクラウドファンディングに限った話ではありませんが、プロジェクトを進める前に遅延を防ぐためにできることをいくつかまとめておきました。

1.スケジュールに余裕を持たせること

実はこれが最大の対策です。遅れる可能性を考慮して、バッファを用意しておきましょう。

目分量で「だいたい2か月でできんじゃね?」というスケジュールのひき方は決してしないことです。
・どの工程で何日くらい必要か
・GWやお盆、年末年始など、工程が止まることが確実な日はどれくらいあるか
・天災やインフルエンザなど、不可避な要因でスケジュールが遅れるとしたら何日くらいか
・工程の見落としなどの可能性はあるか
ちゃんと積み上げて計算していきましょう。

特に最後の1つは、いままで取り組んだことのない制作物を手掛ける場合などは「ほぼ確実に」生じるミスです。場合によっては1~2か月余分のバッファを用意しておくほうが良いでしょう。

ちなみに私の場合は、
・夏休み中に子どもたちに「お金の教科書」を届けたいと思っており、ゴールが決まっていた
・クラウドファンディングの成否にかかわらず本の制作をすると決めていた
ので、ゴールを遅らせるのではなく、スタートを早める形でバッファを取り、ファンディングと並行しながら執筆を進めていました。

そして、スケジュールを決めるにあたっては編集さんの多大なるご協力をいただきました。「その道のプロ」に工程を見積もってもらえれば、スケジュールには大分安心感が出てきます。

 

2.ファンディングの段階で「遅延の可能性」をしっかり伝えておくこと

私がお世話になったA-portさんでは、プロジェクトの「リスク」を書く項目がちゃんとありました。
万全を期していても、プロジェクトが遅れる可能性はたくさんあります。かくいう私も執筆中に胃腸をこわしてしまい、寝込んでしまおうか悩みつつ、結局少し無理をしてスケジュールを遅らせないように頑張ってしまいましたが、もう少し症状がひどかったら打つ手なしだったかもしれません。

・スケジュールが遅れる可能性
・リターンの内容がわずかに変わる可能性(※)

など、約束と違う状態になり得るケースはしっかりと事前に書いておきましょう。

※…あくまで「わずかに」です。大幅な変更はそもそも避けるようにしましょう。

 

3.途中経過をこまめに報告すること

クラウドファンディングのサイトのほとんどは、プロジェクトの「活動報告」をするブログのような機能がついています。
お金がファンディングされるまでの間に「おかげさまで〇万円集まりました!」という経過報告をしている人はとても多いですが、いっぽうで、ファンディングの後の活動をこまめに報告するケースはちょっと少ないように思います。

「いま、こんなことをしています」

ということをたまに伝えるだけで、支援者の安心感は大きく変わってきます。
もちろん、クラウドファンディングのサイト以外にも伝達手段はたくさんあるので、Facebookなどで代用するのも良いと思います。

私の場合、ファンディングと制作のプロセスが重複していたりしたので、ファンディングの最中に進捗報告をしていました。

もうすぐファンディングから1か月たつので、そろそろ進捗を報告しようと思っているところです。

 

4.遅延が起こりそうになったら早めに支援者に報告すること

飲み会に遅刻するとき「すみません、少し遅れます」という連絡が来るのがそもそも約束の1分前だと、「おい!」とツッコみを入れたくなるでしょう。同じ遅刻でも、30分前くらいに「会社を出るのが遅れるかもしれません。頑張って急ぎますがもし間に合わない時は先に始めていてください」と言われるのとでは、受ける印象が全く違います。

「遅れるかもしれない、でも間に合うかもしれない」

これくらいの段階になったら、早めに支援者への報告をするようにしましょう。

・遅れが事前に設定したバッファの範囲内である
・遅れを挽回する確実なバックアップ手段がある

こういう時を除いては、早めに報告するに越したことはありません。

 

…と、簡単ですが遅延への備えについて書いてみました。

次はさらに「その後」。

ファンディングを成功させ、リターンも発送した、さらにその後のことを書いてみようと思います。