まだまだクラウドファンディングの話は続くのですけど、今回は少し休憩っぽい回。
なお、クラウドファンディングのプロジェクトはいま「コスト見積もり」の段階に入っています。僕が作ろうと思っている本がいったいいくらで作れるのか。皆さんから集める金額はそこからはじきだしていきます。
さて、そんな折だからこそ考えてみましょう。
「お金」について。
お金の「3つの機能」は一側面でしかない
最近は仮想通貨が世の中の話題の一角を立派に担うようになっています。また、お金とは何か?ということから着想を得て始まった、西野亮廣さんの「レターポット」というサービスも人気です(僕もレターポットやってます)。
そんな流れから、皆さんは普段当たり前すぎて考えることのなかった「お金ってなんなの?」ということを、少しくらい考えてみたことがあったかも知れません。
自分が大学生のときに学んだお金の3つの機能というのは、以下の通りでした。
- 価値の尺度・・・金額が物の価値を表しますよね
- 交換手段・・・お金があることで、いちいち物々交換をしなくてもよくなりました
(なお、このおかげで租税の徴収も非常に簡単になりました) - 価値の保存・・・たとえばラーメンの価値は冷めたらほぼゼロですが、お金はそれよりずっと価値が長持ちします
・・・ふむ、間違ってはいないな、と思います。僕も学生時代はこの学びをそのまま素直に受け取っていました。
しかし、実際にはそれだけではないということに、皆さんもうっすら、気づいているかもしれません。
「それだけではない」の部分を一言で言い表すとしたら、たぶんこうなる。
お金には「想い」を乗せることができる。
スピリチュアルというほどではない「想い」の話
そういえば、こんな詩を知っていますか。
保険にはダイヤモンドの輝きもなければ、
パソコンの便利さもありません。
けれど目に見えぬこの商品には、
人間の血が通っています。
人間の未来への切ない望みが
こめられています。
愛情をお金であがなうことはできません。
けれどお金に、
愛情をこめることはできます、
生命をふきこむことはできます。
もし愛する人のために、
お金が使われるのなら。
・・・実はこれはただの保険の宣伝のための詩なのですが、お金に想いを乗せるひとつの例として、保険は確かに分かりやすいものです。
想い、とかくとカッコつけた感じになりますが、「意図」という言葉で置き換えてもいいでしょう。
お金を使うとき、私たちはしばしばそのお金に「想い」「意図」を乗せます。
- 誕生日プレゼントを買うとき、使うお金には「相手が喜んでくれますように」という想いが乗ります。
(場合によっては「これで彼女が振り向いてくれますように」という想いかも知れません) - 馬券を買うとき、使うお金には「これが当たったら借金が返せる・・・」という想いが乗ります。
(もっと軽い気持ちの場合ももちろん、あります) - 税金を払うとき・・・は天引きされるので実は想いが乗らないわけですが、
僕のように自営でやっていると直接税金などを納めることも多く、そのときには少しだけ
「これが公務員のお給料になるんだな~」と想像したりします。
ちなみに、カッコ書きに示したとおり、同じようなシチュエーションでも、人によって乗せる思いは様々なわけです。
おいしい食事に代金を支払うとき、その代金は言うまでもなくおいしいものへの対価です。そして人によってはそこに「楽しい時間をすごせたことへの感謝の気持ち」を乗せることができます。
が、飲食店に入ったときに「俺様は客だ」という態度をとたんにとる人や、「この店は・・・・で凄い評価とったんだぜ~」と言外に自分のレベルの高さを匂わせたがる人にとっては、飲食の代金は「無礼であることの免罪符」や「マウンティングするための出費」というニュアンスが加わり、そこに乗せる思いは「おれ、これくらい払えるんだぜ」という自己顕示だったりします。
・・・そして、そういうお金に乗せた想いは、実は「連鎖」する側面もあります。ずーっと前に、有名ブロガーのちきりんさんがこんなツイートをしてました。
おじさん→キャバ嬢→ホスト→伊勢丹メンズ館? (諭吉の流れ)
— ちきりん (@InsideCHIKIRIN) December 28, 2012
ちきりんさんはこれを「諭吉の流れ」と表現していますが、ここにどんな「想い」がこもっているか、想像できますか?
おじさん(仕事うざかったな~気晴らしだ)
⇒キャバ嬢(おっさんうざかったな~気晴らしだ)
⇒ホスト(キャバ嬢うざかったな~気晴らしだ)
⇒伊勢丹メンズ館(へいらっしゃい)
最後の「へいらっしゃい」は、顧客のニーズをどう捉えて待ち構えるか?というマーケティングの話になるわけですが、
その上流にいるおじさん、キャバ嬢、ホストの3人の想いは、大体こんなもののはずです。
要するに、今日言いたかったことは、こうなる。
- お金には、想いがこもる
- その想いは、連鎖していく
だから、
今回のクラウドファンディングのプロジェクトで集めるお金には、できるだけピュアな思いを乗せたいと思っています。
「お金の教科書?面白そうだから買ってみようじゃないか」という想いでももちろんうれしいし、
「こういうものが社会にもっともっと広まってほしい」という想いだとしたら、もう天にも昇る気持ちです。
皆さんの暖かい思いを集めて、子どもたちが読む「お金の教科書」の形にして渡していく。
それができて初めて、子どもたちが「お金の知識」と「ただしいお金への想いの乗せ方」を学び、感じられるんじゃないか・・・と言う気がするので。
プロジェクト、もうすぐ公開します。お楽しみに。