年賀状と会計の関係 〜感覚は頼りない〜

年賀状のことを考えているということは、今年ももう終わりが近いんだな、としみじみ思います。いやはや、2016年もあっという間でした。

そして、私ごとですが今年は喪中のため、個人としてのお正月の挨拶は控えさせていただくことになっており、昨日喪中ハガキの予約をしてきたところです。

さて、年賀状の配達枚数が毎年減少しているという統計はこの時期になるとよく出てきますし、おそらく皆さんの生活感覚でも「昔ほどたくさん書かなくなったし、もらわなくなった」と感じる方のほうが多いのではないかと思います。

  • 年賀状が減っているということは、礼儀が軽んじられている証拠だ
  • 日本の大事な風景がこうして消えて無くなっていくんだな

という、精神面から湧き上がってくる思いと、

  • 印刷しただけの年賀状を出すのは、コピペしただけのメッセージを送るのと同じことだ。それなら友達向けにSNSで発信したほうがあらゆる面で合理的だ
  • そもそも最近は住所のやり取りをしない世の中になっているし、送ろうにも送れない側面もある

という、物理的な観点から思うところとがちょうど相反しており、しかもこの2つのベクトルのバランスは世代によって明確に異なっているため、「(ご年配の方が思う)最近の若者」と「(若者たちが思う)老害」とが、ますますバカの壁で分断されていく・・・ということまで連想するとどうにもやるせ無い思いに駆られます。

さて、ここまで前置きをした上で、皆さんにクイズを出したいと思います。

日本郵政は、年賀状の減少傾向を受けて、
売上がどんどん低下している。○か×か。

・・・うーん、意外と引っかからないかもしれませんね(笑)

はい、正解は「×」です。

実は2016年3月期の日本郵政の営業収益は、前年度と比べて大幅に増加しています。

そして、郵便物などの取り扱い件数も、実はあまり変化しておらず、むしろ昨年度は少し増加しています。(画像は日本郵政が公開している決算説明資料の抜粋です)

オークションや通販の市場規模がどんどん大きくなっているのに加え、最近は海外からの旅行者などが荷物やお土産を送るために宅配事業者を使うことが多くなっており、結果、日本郵便では「年賀状」や「ハガキ」以外の物流で着実に収益を増加させています。

年賀状が年々減っている、ということ自体は確かに事実なのですが、その事実に引きずられて全体を見誤ってしまい、正しい判断ができなくなる、ということは結構多いものです。

例えば、都会では自動車に乗っている人は減りました。カーシェアリングやレンタカーのみを利用し、マイカーを持たないライフスタイルが少しずつ普及していますし、そもそも運転免許を取らない人も増えてきています。

でも、トヨタ自動車の業績はそれとはほとんど無関係に動いています。それもそのはず、売り上げの大半が欧米やアジアなどで上がっているからです。

こういった勘違いのパターンは企業の決算の話に限りません。

例えば、テレビ番組で凄惨な殺人事件が報じられることが増えていて、それゆえに「最近は重大犯罪が増加している」と思っている人も多いでしょう。

しかし実際には、重大犯罪の逮捕件数は、実際には減少しています(ここでは統計を示すのは割愛しますが、調べればちゃんとわかります)

なんであれ、物事を考える際に、自分の感覚を信じたがために誤った判断をしてしまうことは多いものです。

特になんらかの情報に引きずられて、自分の感覚が狂ってしまう・・・そういうことがあるということを知っているだけでも、私たちが「間違える」可能性は低くできるのではないかと思います。

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